インフルエンザや風邪、新型ウイルスにも負けない身体をつくりたいですよね。
もちろん日頃から免疫力を上げておくことが健康でいられる秘訣ですが、この免疫力は「美肌」にも大きく関わっています。
肌は常にウイルスや細菌と接しているため、免疫機能(自己防衛)の最前線です。
美肌と健康を保つための「免疫細胞の働き」と、「免疫力を上げる方法」を詳しくご紹介します!
免疫とは

免疫とは体内への細菌やウイルスの侵入や、体内で発生したガン細胞などを監視し、それらを撃退する自己防衛システムです。常に病原体を見つけては戦っています。
例えば、私たちの体内でガン細胞は1日に5000個も生まれていると言われていますが、そのガン細胞を即時に「異物」と判断し、撃退、死滅させてくれるのが免疫です。
私たちは常に細菌やウイルス、ほこりや汚染物質、病原体に対抗しなければいけません。身体を健康に若々しく保つには、この免疫力が必要不可欠なのです。
免疫力が下がると…

- 感染症にかかりやすくなる(細菌・ウイルス・汚染物質)
- 肌が荒れる、口内炎ができる
- アレルギー症状が出やすくなる(花粉症やアトピーなど)
- 下痢・便秘になりやすくなる
- 疲れやすくなる
- ガン、心臓疾患、糖尿病、白血病などのリスクが高まる
免疫力アップは美肌にも良い

乾燥や紫外線などから肌を守るためには、表面を覆う「角層細胞」と、表皮に点在する「ランゲルハンス細胞」の2つのバリア機能を働かせることが大切です!
角層細胞でガードしきれなかった有害なダメージを察知し、鎮静化させるためにランゲルハンス細胞が働きます。
免疫力を上げると、免疫細胞である「ランゲルハンス細胞」の働きも活発化するので、肌トラブルの少ない美肌を保つことができます。
ランゲルハンス細胞は免疫機能の中でも、 外気に接している皮膚 の「見張り役」として、大事な役割を持っています。
皮膚で起きていることをランゲルハンス細胞が脳に伝達し、脳はその情報をもとに「傷を治す」「ウイルスを撃退する」などの指令を様々な免疫細胞に出します。
美肌のためにも、健康のためにも、免疫システムの一つである「ランゲルハンス細胞」を見張り役として、しっかり働かせてあげましょう!
また肌が酸化するとバリア機能は弱まるので、洗顔やしっかり保湿をするなど普段のスキンケアも大切です。
免疫力を上げる方法
免疫力UP①:自律神経のバランスを整える
自律神経は心身を活動状態にする「交感神経」と、心身をリラックス状態にする「副交感神経」の2つの神経で調整されています。
仕事や学校のある昼間には「交感神経」が働き、家にいる時間には「副交感神経」が働くと、心身共にON/OFFのあるバランスの良い生活になります。
「交感神経」ばかりが働くと眠れなくなったり、イライラしたり、興奮状態が続き、逆に「副交感神経」ばかりが働いても、倦怠感が強く気力のない生活になるでしょう。
免疫機能だけを上げるということではなく、生活習慣を含め、身体全体のバランスを整えることが免疫力アップにつながります。
生活リズムを整え ON/OFFのある生活を心がけましょう!

具体的な方法として
- 適度な運動をする
- しっかり睡眠の時間をとる
- 栄養、特にミネラルを補給 (天然塩や果物など)
- リラックスできる時間をつくる
- ストレス発散できる趣味をもつ
免疫力UP②:代謝を上げる
免疫細胞も、他の細胞と同様に新陳代謝を繰り返しながら、新しい細胞へと入れ替わっています。
新しい細胞を作り出すためには、栄養が必要です。その栄養は血液が運んでいるので、血液循環が良いほうが免疫細胞にとっても良い環境と言えますね。
新陳代謝の他にも、基礎代謝やエネルギー代謝を高めることで、さらに血液循環が促されます。
これらの代謝が円滑であることが、血液を綺麗に保ち、栄養を運び、新しい免疫細胞を作り出すことにつながります。

具体的には…
- 適度な運動をする
- 身体を温める(入浴、身体を温める食事)
- しっかり睡眠をとる
免疫力UP③:腸内環境を整える
口から肛門を結ぶ消化器官は、水分や栄養を摂るだけでなく、様々な異物も侵入してきます。
そのため免疫細胞の6~7割は消化器官にあり、腸内で異物は選別され撃退されるのです。腸内環境が免疫力の中心にあると言っても良いでしょう。
消化器官にある多数の免疫細胞たちが活発に働けるように、腸内環境を整えておくことが大切です。
腸内には約100~1000兆個もの腸内細菌が住んでいて、その腸内細菌には良い働きをする善玉菌と、逆に腸内環境を悪くする悪玉菌があります。
善玉菌は乳酸菌、ビフィズス菌、アシドフィルス菌など様々な種類があり、消化活動や免疫細胞の能力を高める手伝いをしてくれます。
また善玉菌と悪玉菌は常に腸内で戦い、善玉菌が増えることで悪玉菌の増殖を防いでいます。
腸内が「善玉菌優勢の状態」でバランスを保つことが、免疫力を高めます!

具体的には…
- 発酵食品を食べる(ヨーグルト、納豆、みそ、キムチ、チーズなど)
- 食物繊維を摂る(ごぼう、豆類、玄米、バナナ、キャベツ、きのこ、海藻類)
- 脂肪やタンパク質の摂り過ぎ注意(悪玉菌のほうが増えてしまう為)
免疫力UP④:たくさん笑う
笑うと活性化する免疫細胞が、リンパ球の一種である「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」です。体内に50億個あるとも言われています。
NK細胞はその名の通り「生まれつきの殺し屋」という意味で、免疫細胞の中でも率先して働く優秀な戦力です。
体内を常にパトロールしながら、ガン細胞やウイルス、病原体を素早く見つけ出し即座に撃退してくれます。
毎日5000個以上のガン細胞が誕生しても、私たちが健康でいられるのはこのNK細胞が戦ってくれているからです。
笑うことが脳への合図となり、神経ペプチドという情報伝達物質が生産されます。神経ペプチドが血液やリンパを通り、NK細胞に付着するとNK細胞は活発に働きます。
逆に、不安や悲しい感情、ストレス、喫煙など不健康な生活はNK細胞の働きを弱めます。この弱まったNK細胞を回復させためにも「笑うこと」が有効です!

心がけること…
- ポジティブ思考
- 悩み事は短期に解決
- 好きなこと、楽しいこと、喜びを見つける
- 表情を明るく笑顔に(作り笑いもNK細胞が活性化)
まとめ
私たちは日々24時間、たくさんの免疫細胞たちに守られ生きています。自分の身体に「感謝」の気持ちが芽生えますね。
細菌やウイルスと直接触れる肌や消化器官は、免疫細胞にとって戦場といえるでしょう。
免疫力が高ければその戦場でのダメージも少なく、肌も身体も「元気で若々しく」いられます。
免疫細胞の能力を生かすも殺すも、私たちの生活習慣にかかっています。
これ1つやればいい、これだけ食べていればOK、とういう訳ではなく総合的な生活力=免疫力となるようです。