炭水化物で痩せられるって本当!?ご飯やパスタも食べられる炭水化物摂取ダイエットは、すでに多くのダイエッターに大人気。美味しく食べながらリバウンドも起こりにくいダイエット法で、今度こそ成功が期待できそうです。
その秘密は脂肪燃焼をサポートするレジスタントスターチ(難消化性デンプン)と摂取量。太ると思われている炭水化物でも、レジスタントスターチが含まれているとダイエット食品になります。今こそ炭水化物を見直して、目標体重を制覇しましょう!
炭水化物摂取ダイエットの特徴

アメリカの雑誌『Health』の2人の編集長によって紹介された、炭水化物摂取ダイエットの特徴をまとめました。
レジスタントスターチがダイエットのカギ
低糖ダイエットが流行っている中、炭水化物摂取ダイエットは正反対なダイエット法として多くのダイエッターがチャレンジ。その人気の秘密は炭水化物の中でも、レジスタントスターチを含む食品を食べることにあります。
通常デンプンは小腸で消化吸収されますが、レジスタントスターチは大腸まで届く耐久性の高いデンプンです。つまり糖が吸収されないので血糖値が上昇せず、肥満を防止します。
さらに水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の役割を担っているレジスタントスターチは、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つの腸内フローラのバランスを整えてくれます。いわゆるデブ菌である悪玉菌を抑え、ヤセ菌である善玉菌や日和見菌を増やしてデトックスをしたり代謝をあげたりしてくれるのです。
食べても太りにくい体質の方は、腸内環境が整っていると言っても過言ではないでしょう。ダイエットすることは脂肪を落とすことと考えがちですが、炭水化物摂取ダイエットで腸内環境を整えることで根本的な肥満の悩みを解決できます。
レジスタントスターチとは?
レジスタントスターチはもともと全粒穀物や芋類などに多く含まれています。レジスタントスターチはデンプンの1種であるアミロースが加熱され、その後時間をかけながら冷めていく過程において生成されるデンプンです。
またレジスタントスターチで善玉菌が増えるのは、正確に言うとレジスタントスターチに含まれるプレバイオティクスの作用によるものです。プロバイオティクスは善玉菌のエサとなり、腸内フローラのバランスをとってダイエットをサポートします。
レジスタントスターチを含む炭水化物を25%摂取
レジスタントスターチはダイエットをサポートしますが、食べすぎは良くありません。効果を実感するためにも、レジスタントスターチ含む炭水化物を摂取カロリーの25%に抑えます。その他の食品は低糖や低脂肪を中心に摂取し、ダイエット効果を高めましょう。
また摂取カロリーが減ることで代謝が下がりやすくなります。そこでカロリー計算をしながらも、栄養バランスや腸内環境を整える食事作りで脂肪燃焼しやすい体を維持することが大切です。ちなみに食品100gに含まれるレジスタントスターチの量は以下の通りです。
- パスタ…1.1g
- 白米…3.4g
- 玄米…5.48g
- ライ麦パン…3.2g
- ブラン…1.0g
- とうもろこし…3.0g
- ジャガイモ…3.2g
- サツマイモ…1.1g〜3.8g
- 青バナナ…4.0g
2つのカロリー制限と2つのフェーズで行う
炭水化物摂取ダイエットでは1,200kcalと1,600kcalの2つのカロリー制限があります。2つのフェーズを21日間を通して行い、それぞれの摂取カロリーを当てはめます。
炭水化物を摂取しながら減量できるのは、大幅なカロリー制限も理由の一つです。外側と内側からダイエットをサポートすることで、効率の良いダイエットが期待できます。
炭水化物摂取ダイエットで食べるおすすめの食材

炭水化物摂取ダイエットで食べるおすすめ食材をまとめました。ここではメインとなるレジスタントスターチを含む炭水化物と通常の食材で分けています。さらにダイエット後におすすめのレジスタントスターチを含む炭水化物以外の食品も加えました。
レジスタントスターチを含む炭水化物
- 精白米
- 玄米
- パスタ
- 全粒シリアル
- 全粒粉パン
玄米は精白米よりもレジスタントスターチを多く含んでいます。またシリアルの中で多く摂取できるのが大麦で、そのままコーンフレークとして食べるほか、サラダやスープなどの具材などにもおすすめです。
通常の食材
野菜
- 全般
オリゴ糖を多く含むニンニクや玉ねぎは、ビフィズス菌のエサとなり善玉菌を増やしてくれます。玉ねぎには血行促進もするので、代謝を上げて脂肪燃焼をサポート!
大豆製品
- 納豆
- 味噌
大豆発酵食品には、善玉菌である乳酸菌が多く含まれています。納豆に含まれる「アディポネクチン」は脂肪燃焼を促進するので、炭水化物摂取ダイエットにおすすめです。
果物
- イチゴ
- ブルーベリー
- ラズベリー
- オレンジ
- グレープフルーツ
- レモン
- キウイ
- イチジク
- さくらんぼ
- ライチ
果物には糖質が高いものがあるので、柑橘類やベリー類などの低糖果物を中心に摂取します。また食物繊維を多く含んでおり、血糖値の上昇を抑えたり腸内環境を整たりするのに欠かせません。
肉類
- 鶏肉
- ターキー
- 豚ヒレ肉
- 牛ヒレ肉
肉類は低脂肪の白身肉を食べましょう。良質なタンパク質を摂取することで、満腹感を維持できます。
魚介類
- 全般
EPA・DHAのオメガ3系多価不飽和脂肪酸を含む、イワシなどの青魚がおすすめです。悪玉コレステロールを下げて、余分な脂肪をカットしてくれます。また血行促進をして、動脈硬化などの生活習慣病を予防。
卵
- 鶏卵
- うずらの卵
鶏卵やうずらの卵は生よりも茹でて食べると腹持ちが良くなります。必須アミノ酸と非必須アミノ酸がバランスよく含まれているほか、カルシウムなどミネラルも豊富なので、炭水化物摂取ダイエット中の手軽な栄養補給におすすめです。
乳製品
- プレーンヨーグルト
- 低脂肪チーズ
- 低脂肪牛乳
チーズには善玉菌である乳酸菌が多く含まれています。無糖のプレーンヨーグルトを選ぶときは、ビフィズス菌が含まれているものを選びます。
調味料
- オリーブオイル
- 植物性オイル
- 醤油
- お酢
オリーブオイルや植物性オイルには、血行促進する不飽和脂肪酸が多く含まれています。栄養をしっかり摂取するためにも、生で使いましょう。また醤油やお酢などには乳酸菌が多く含まれているのでおすすめです。
炭水化物摂取ダイエット後におすすめのレジスタントスターチを含む食材
野菜
- じゃがいも
- 長芋
- サツマイモ
- かぼちゃ
- とうもろこし
- ゴボウ
- 豆類
- 春雨
- 葛切り
豆類の中でもインゲン豆にはさらに多くのレジスタントスターチを含んでいます。野菜はサラダや煮物など、混ぜて調理しやすいのもメリットです。じゃがいもなどを原料としている春雨や葛切りは低カロリーなので、炭水化物摂取ダイエットにおすすめ。
果物
- グリーンバナナ
完熟する前のグリーンバナナには、レジスタントスターチを豊富に含んでいます。バナナが熟するにつれてレジスタントスターチが糖質に変化してしまうので、青いうちに食べるようにしましょう。
ナッツ類
- タイガーナッツ
ナッツの中でもタイガーナッツには豊富なレジスタントスターチが含まれています。タイガーナッツは比較的小粒なので、全粒シリアルや全粒粉パン生地に入れるなど、メニューアレンジがしやすいのもメリットです。
粉類
- 片栗粉
- コーンスターチ
片栗粉などは唐揚げの衣や食材にとろみをつける粉などに使用しますが、飲み物にも加えても摂取できます。スープやグリーンスムージーと一緒に飲むと、粉っぽさを感じにくくなり飲みやすいです。
炭水化物摂取ダイエットのフェーズ別メニュー例

ここでは炭水化物摂取ダイエットで食べるメニューの一例を、フェーズごとにご紹介します。レジスタントスターチを含む炭水化物を25%取り入れるほか、カロリーや期間を守って行いましょう。
フェーズ1のメニュー例
フェーズは1,200kcalの食事メニューを作り、1週間続けます。
朝食
- ライ麦パン…1枚
- キウイ…1個
- ブラックコーヒー…1杯
おやつ
- オレンジ…100g
昼食
- 鮭おにぎり…1個
- モッツアレッラチーズ…50g
- イチゴ…5個
- 緑茶…1杯
おやつ
- グレープフルーツ…半分
夕食
- 野菜入り玄米…お茶碗半分
- 納豆…1パック
- わかめと玉ねぎ入り味噌汁…195g
フェーズ2のメニュー例
フェーズ2では1,600kcalのメニューを2週間続けます。フェーズ1より400kcal増えるので、満腹感を維持しやすいです。
朝食
- オートミール…40g
- マカロニサラダ…小皿1杯
- ラズベリー…5粒
- 低脂肪牛乳…100ml
おやつ
- 無調整豆乳…100ml
- ライチ…3個
昼食
- 梅干し弁当…160g
- 鶏肉のささみ…2本
- 大根サラダ… 126g
- オリーブオイル…大さじ1
おやつ
- パイナップル…1/4
夕食
- 玄米…お茶碗半分
- イワシのグリル焼き…1尾
- ほうれん草のお浸し…小鉢1杯
- ブルーベリー…10個
- 卵とじスープ…1杯
炭水化物摂取ダイエットの効果アップ法

炭水化物摂取ダイエットでさらに脂肪燃焼を促進するために、いくつかのコツを押さえましょう。
食物繊維をたっぷり食べる
食物繊維とも言えるレジスタントスターチは、善玉菌や日和見菌を増やしてくれます。この2つのヤセ菌は食物繊維をエサとして増殖。さらに脂肪燃焼を促進する短鎖脂肪酸を生み出すため、さらなる食物繊維を摂取することでダイエット効果が期待できます。
また短鎖脂肪酸は食べ過ぎを抑制するGLP-1ホルモンの分泌をサポート。つまり善玉菌の増殖からGLP-1ホルモンの分泌量まで、食物繊維は大きなダイエットの役割をしているのです。食物繊維は唐辛子や切り干し大根、アボカドなどに多く含まれています。
冷めた食品を再加熱しない
レジスタントスターチは加熱後の食品を冷ますことで増加します。そのため一度冷ましたら、再加熱せずに食べるのが基本です。しかし白米については再加熱してもレジスタントスターチを摂取できるので、チキンライスやお茶漬けなどで食べられます。
また加熱した食品が冷めないうちに冷凍庫に入れると、レジスタントスターチが増えにくくなるので注意が必要です。しっかり常温で冷ましてから冷蔵庫で保存しましょう。
レジスタントスターチパウダーを利用する
レジスタントスターチを含む食品でメニューが作れないときは、レジスタントスターチパウダーで代用するのも良いアイデアです。しかし味が苦手な場合は、他の食品と混ぜて食べましょう。
また手軽に摂取できるレジスタントスターチパウダーですが、それだけに過剰摂取しやすいデメリットがあります。レジスタントスターチの1日の摂取量は1日5g〜10gで、食べすぎるとカロリーオーバーになるので注意しましょう。
炭水化物摂取ダイエットのメリット&デメリット

腸内環境を整えながら、ダイエットをサポートする炭水化物摂取ダイエット。ここでメリットとデメリットをチェックしましょう。
炭水化物摂取ダイエットのメリット
- ダイエットを実感しやすい
- 善玉菌を増やして脂肪燃焼しやすい体になる
- 体脂肪の低下
- 腸内環境を整える
- 満腹感が持続する
- 便通が良くなる
- 血糖値が安定する
- リバウンドが起こりにくい
- 糖尿病の予防
- 大腸がんの予防
炭水化物摂取ダイエットのデメリット
- 摂取カロリーが激減する
- カロリー計算をする必要がある
- 炭水化物の摂取量に制限がある
- 倦怠感がある
炭水化物摂取ダイエットのQ&A

炭水化物摂取ダイエットによくある質問を、ここに3つピックアップしました。ダイエットが終了した後にも参考にしましょう。
Q: どのくらいダイエットできるの?
A: 1週間に1kgの減量が期待できます。炭水化物に含まれるレジスタントスターチが腸内環境を整えながら、次第に脂肪燃焼しやすい体になるでしょう。ダイエット後もレジスタントスターチを含む食品を食べることで、体重維持を効率よくできます。
Q: ダイエット中にレジスタントスターチを含む他の食品を食べて良い?
A: 炭水化物摂取ダイエット中は、炭水化物に含まれるレジスタントスターチのみの摂取が可能です。しかしレジスタントスターチには、他の食材にも含まれています。ダイエットが終わった後に、バランスよくメニューに取り入れながら体重維持をしましょう。
Q: 運動は必要?
A: カロリー制限をしてダイエットするので、基本的に運動は必要ありません。しかし基礎代謝を維持するためにも、スクワットなどの軽い無酸素運動をしたり、脂肪燃焼アップにウォーキングなどの有酸素運動をすると良いでしょう。快適に継続するためにも、できる範囲で行うのがコツです。
炭水化物摂取ダイエットで腸内環境を整えて代謝アップ!

ダイエットデンプンであるレジスタントスターチなら、しっかり食べて減量できます。摂取カロリーや摂取量の制限がありますが、減量を実感しやすいダイエットです。腸内環境を整えることで肌や健康にも作用し、全身のエイジングケアを実感できるでしょう。