アメリカ発のHMRダイエットは、普段の食事を置き換えたり、低カロリーメニューを維持しながら肥満の悩みを解消するダイエット法です。カロリーオーバーになりがちな食生活のアメリカでは、30年前以上からダイエッターに注目されています。
大幅なカロリーカットに加え、適度な運動をプラスするだけで、ロングランなダイエット作用をキープ。本場アメリカのHMRダイエットにはどのような特徴があるのか、日本で行うときのやり方も加えてご紹介します!
HMRダイエットとは?

HMRダイエットの特徴を4つのポイントでまとめました。まずは本場アメリカで行われるHMRダイエット法をチェックしましょう。
HMRダイエットフードパッケージで行う
HMRダイエットは行動心理学者・HMRの前CEOであるローレンス・スティフラーによって発展したダイエット法です。アメリカではすでに用意されたオリジナルのHMRダイエットフードパッケージでスタートします。
さらに毎週インストラクターからの、ダイエットや運動のアドバイスを受けられます。HMRダイエット中を正しい方向に導くほか、モチベーションアップも可能です。
置き換え低カロリーダイエット
HMRダイエットフードには多くの種類があり、主にプロテインシェイクで普段の食事と置き換えます。栄養バランスが整った低カロリーなプロテインシェイクや栄養ダイエットバーなどで、大幅に摂取カロリーをカット。
必要に応じてプロテインシェイクのフレーバーを、果物やヨーグルトなどに混ぜながら自由にアレンジできるのもメリットです。バラエティに富んだテイストを味わえるので、ダイエットのモチベーションを上げてくれるでしょう。
ダイエットを専用アプリでフォロー
スマホで無料ダウンロードできるHMRダイエットアプリでは、HMRダイエットの概要やフェーズごとのダイエットフード、Q&Aなどをまとめて閲覧できます。
基本的なHMRダイエットのやり方を、手元ですぐにチェックできるのメリットです。メモに書き留める必要もなく、外泊中でもしっかりフォローできます。
有酸素運動で毎週2,000kcal消費する
HMRダイエットでは、効果アップのために有酸素運動を推奨しています。毎日30分ジョギングやウォーキングなどで、毎週2,000kcal消費するのが目的です。
新陳代謝を活発に維持でき、効率よく脂肪燃焼を促進。普段運動不足な方は少しずつ運動量を増やし、最終的に中級〜上級レベルを目指します。
長期的に根気よく続ける
HMRダイエットは2つのフェーズに渡って、16週間〜20週間続けます。ロングランなダイエット法になるので、事前の心構えが必要です。とりわけフェーズ1は長く、HMRダイエットフードをメインとした食生活になります。
フェーズ2では比較的短期間で、低脂肪食品や炭水化物も摂取可能。体が飢餓状態にならないように後半でしっかりカバーできるので、ハードなカロリー制限でも体の負担を抑えられます。
HMRダイエットのオリジナル方式

ここではオリジナルのHMRダイエットフードをベースにしたやり方をまとめました。
摂取カロリーは1,200kcal
HMRダイエットでは摂取カロリー設定がありませんが、基本的に1,200kcalになります。
推奨摂取カロリーは普段の活動にもよりますが、通常の仕事をしている場合の摂取カロリーは1,800kcalです。さらに1日中肉体労働をしている場合は、2,000kcal〜2,200kcal必要なので、ライフスタイルによっては空腹を感じることがあります。
そのため必要に応じて、最大300kcalまで摂取カロリーを増やすことも可能です。大切なことは余分なカロリーを体内に残さないことなので、日常生活に見合ったカロリーバランスを維持しましょう。
2つのフェーズに分けてメニューを作る
HMRダイエットは2つのフェーズで行われ、それぞれ期間や食事メニューが異なります。野菜や果物は1日分の推奨摂取量よりも通常よりも80%増量しているのが特徴です。
フェーズ1の食事法
フェーズ1は12週間継続します。1日分のメニューは以下の通りです。
- HMRシェイク…3杯
- HMRダイエットフード…2つ
- 野菜…果物と合わせて600g
- 果物…野菜と合わせて600g
物足りないときは、少し量を増やしてもOKですが、最大1,500kcalまでに抑えます。この時期は1週間に500g〜1kg、フェーズが終了する頃には、10kg減量が期待できます。
フェーズ2の食事法
フェーズ2はフェーズ1で減量した体重維持や、自分の目標体重に合わせてさらなる減量も可能です。フェーズ2は4週間〜8週間継続し、毎日以下の食品を摂取します。
- HMRダイエットフード…2個
- 野菜…果物と合わせて600g
- 果物…野菜と合わせて600g
- 低脂肪肉
- 低脂肪乳製品
- 炭水化物
フェーズ2はHMRダイエットフード以外の食品を徐々にプラスします。しかし低脂肪や低糖を基本にして、ヘルシーな食事に慣れていくことがポイントです。
あくまでも摂取カロリーの範囲内でメニューを作り、理想体重を維持します。カロリーオーバーをしたときは、運動を併用しながら調整しましょう。
HMRダイエットを自己流で試す方法

HMRダイエットフードパッケージと似たような食品は、近所のお店でも簡単に見つかります。摂取カロリーやフェーズはオリジナルのHMRダイエット法が基本です。
プロテインシェイクを作る
HMRダイエットの主食となるプロテインシェイクを作ります。市販のプロテインを利用するだけで、お好みのフレーバーでアレンジ可能です。お腹の空き具合にも合わせていろいろ試してみましょう。
プロテインシェイクのカロリーは、オリジナルのルールに従い159kcalです。
材料
- ザバスソイプロテイン1食分(21g)…79kcal
- 低脂肪牛乳190cc…80kcal
作り方
材料を混ぜて出来上がり。フェーズ2ではベリー類やバナナなどを加えるのも良いです。
ダイエットフードを用意する
プロテインシェイクのほかに、ダイエットフードも用意します。オリジナルのHMRダイエットフードには、メインディッシュ、ダイエットバーやスープなどがパッケージされています。
特にフェーズ1ではダイエットフードの中でも、できるだけ低カロリーで糖質の低い食品を選ぶのがダイエット効果アップのコツです。さらにバラエティなダイエットフードを選ぶことで、飽きのこないHMRダイエットができます。
フェーズごとに1,200kcalメニューを作る
HMRダイエットでは2つのフェーズで行います。いずれのフェーズでもプロテインシェイクやダイエットフード、野菜、果物の摂取が基本です。
それぞれのフェーズのメニューは、1日1,200kcal以下に抑えます。オリジナルのHMRダイエットフードは、すでにメニュープログラムに合わせたカロリーで作られています。しかし個人で行う場合は、カロリー計算が必要です。
フェーズ1のメニュー
基本的にプロテインシェイクとダイエットフードを300kcal以下にとどめ、そのうちプロテインシェイクを100kcal〜160kcalに割り当てます。
さらに果物や野菜を100kcal加えて1食400kcalメニューを3食作ります。
フェーズ2のメニュー
ダイエットフードを2つ摂取し、そのほかは低脂肪食品や炭水化物をプラスして1日1,200kcal以下に抑えます。フェーズ1と同様に1食を400kcalずつ分けると、栄養バランスが取れやすいです。
食事制限が緩くなるので空腹を感じにくくなり、マイペースでダイエットを進行できるフェーズです。
HMRダイエットで食べて良い食品

HMRダイエット中に食べて良い食品は、ベースとなる手作りのプロテインシェイクや、ダイエットフードのほかに、以下の食品をサイドメニューとして加えます。食品の選び方のポイントもチェックしましょう。
- 野菜
- 果物
- 大豆製品
- 低脂肪食品
- 炭水化物
葉野菜や豆類を中心に摂取
野菜の選択は特に制限されていませんが、HMRダイエット効果を高めるためにも、葉野菜や豆類などGIの低い野菜類を中心に摂取します。デンプンを含む芋類やとうもろこしは糖質が高いので控えましょう。
また低カロリーのキノコ類や枝豆、モロヘイヤなどは食物繊維を豊富に含むので、HMRダイエットにおすすめです。干し椎茸やなめこのようなぬめりのある野菜に含まれる水溶性食物繊維は、糖質の吸収を穏やかにします。さらに枝豆のオルニチンで脂肪燃焼を促進!
果物はなんでも食べてOK
基本的にHMRダイエットでは果物の制限がありません。プロテインシェイクに混ぜたりできるので、フレーバーのアレンジにも役立ちます。
糖質が気になる場合は、マンゴーやバナナを控えるのも良いでしょう。しかし果物には食物繊維やビタミンが多く含まれているので、たっぷり摂取します。
高い抗酸化作用を持つプルーンやブルーベリーは、新陳代謝を高めデトックスも促進。老廃物を排出させ、むくみや便秘もスッキリ!
大豆製品は若さの天然ビタミン剤
プロテインシェイクにも大豆が含まれているように、大豆製品はダイエットを促進します。低カロリーでアミノ酸スコアも100の良質植物性タンパク質として、HMRダイエットの栄養バランスをサポート。
さらにエストロゲンを活性化するイソフラボンや、コレステロールを血中に流れやすくするレシチンなど、美容と健康維持をする栄養の宝庫です。
動物性タンパク質は低脂肪を選ぶ
フェーズ2では肉類や乳製品などの動物性タンパク質の摂取ができます。しかしHMRダイエット中では低脂肪の鶏の胸肉やささみ、タラなど白身を選びましょう。
また乳製品に関しては、低脂肪牛乳や低脂肪ヨーグルトなどがおすすめです。カッテージチーズやリコッタチーズなどは、クラッカーやパンなどのスプレッドにもなります。
炭水化物は全粒穀物を摂取
HMRダイエットのフェーズ2では炭水化物もプラスできます。アメリカでは精製小麦粉のパンなども許可していますが、糖質が高いのでGIの低い全粒穀物がおすすめです。
全粒穀物は一般的に茶色い食品で、玄米やライ麦パンなどが挙げられます。そのほかクラッカーやコーンフレークも茶色のものが全粒穀物です。
HMRダイエットの食事メニュー例

自己流のHMRダイエットでフェーズごとのメニューを作りました。フェーズ2ではさまざまな食材を組み合わせながら、お好みでアレンジしましょう。
フェーズ1
- 自家製プロテインシェイク1杯…159kcal
- ダイエットフード…141kcal分
- 煮野菜…50g
- サラダ…100g
- イチゴ50g…17kcal
野菜と果物は200gで100kcal以内に調整します。果物はカロリーが高めなので、野菜をたっぷり摂取しましょう。野菜は摂取量範囲ならカロリーオーバーにならないので、自由に組み合わせて大丈夫です。
フェーズ1は12週間ダイエットフードに固守することになり、通常食品では果物のみを変更してメニューを作ります。
フェーズ2
朝食
- 自家製プロテインシェイク1杯…159kcal
- 煮野菜…50g
- サラダ…100g
- オレンジ1個…39kcal
- ブラン61g…132kcal
昼食
- ダイエットフード…1つ
- 煮野菜…50g
- サラダ…100g
- ブルーベリー50g…25kcal
- タラ100g…105kcal
- ライ麦パン50g…132kcal
- カッテージチーズ30g…28.5kcal
夕食
- 煮野菜…50g
- サラダ…100g
- バナナ1本…86kcal
- ささみ50g…52kcal
- 玄米100g…165kcal
- 無糖ヨーグルト100g…65kcal
フェーズ2ではプロテインシェイクを含むダイエットフードを1日で2つ摂取します。できるだけ低脂肪食品を摂取して、フェーズ1で減量した体重をキープ。
低カロリー食品に慣れていくこの時期は4週間続けますが、理想体重に合わせて8週間まで延長できます。
HMRダイエットのQ&A

HMRダイエットに関する質問コーナーで、ダイエット中の疑問を解決しましょう。
Q: どのくらい減量できる?
A: フェーズ1では10kgの減量が期待でき、1日の摂取カロリーを500kcal〜1,000kcalに抑えた方では、22kg以上減量に成功した方もいます。HMRダイエットを40週間試した90人のダイエッターによると、通常の食事制限ダイエットよりも減量を実感しやすいです。
Q: HMRダイエットフードパッケージの購入は必要?
A: HMRダイエットフードパッケージは、アメリカで利用できます。しかし日本でもプロテインシェイクを作ったり、市販のダイエットフードで代用できます。HMRダイエットフードパッケージは便利ですが高価なので、自主的にアレンジした方がエコノミーです。
Q: ダイエットの他にどんなメリットがある?
A: 高カロリーや高脂肪食品が減るので、悪玉コレステロールの低下や血糖値が安定します。高脂質症や心臓病、糖尿病などの疾患を予防が可能です。さらに持久力も高くなり、ハツラツとした毎日を過ごせます。
HMRダイエットでスリムアップ!

HMRダイエットは独特のダイエットフードで効率良い減量が期待できます。栄養バランスも維持できるので、無理なく継続できるでしょう。自己流のHMRダイエットをアレンジしながら、脂肪燃焼しやすいボディをゲット!